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流動性リスク

 世の中にはお得な制度やお得な商品がたくさんあります。
 別に、1ヵ月で100万円儲かるみたいな怪しい話ではありませんよ。

 例えば、終身保険や養老保険のような貯蓄機能を持った保険であれば、短期で解約しない限り、預貯金よりもだいぶ利回りが高いです。それに、保険料の支払時や保険金の受け取り時にも、節税メリットがあります。
 また、先月の法改正で事実上すべての現役世代が加入できるようになった確定拠出年金も、元本保証ではありませんがどれだけ運用益が出ても非課税ですし、掛金の拠出時と一時金・年金の受け取り時に節税メリットがあります。

 但し、すぐにこれらの商品に飛びつくのは考えものです。
 なぜなら、貯蓄型の保険は長期保有する事が前提となっていますので、予定より早く解約すると損をしてしまいます。また、確定拠出年金は原則として60歳になるまで自由に解約が出来ません。

 このような、換金したい時に出来なかったり損をしたりするリスクを「流動性リスク」と言います。
 他の出費との兼ね合いを考慮する際、流動性リスクはしっかりと意識しなくてはいけません。


 終身保険を例に説明してみましょう。
 30歳から加入して65歳で払込満了となる終身保険の場合、累計払込保険料に対して男性なら118.8%、女性なら116.6%の解約返戻金が貰えます。
(オリックス生命保険「終身保険ライズ」のシミュレーションを基に計算)

 一方、住宅ローンを3,000万円(35年固定金利1.5%、元利均等返済)借りた場合、総返済額は3,858万円です。
 もし、自己資金300万円を用意して2,700万円を同条件で借りると、総返済額は3,472万円となります。
 つまり、300万円に対して、386-300=86万円お得になります。
*参考までに、自己資金を200万円用意すると、総返済額は3,600万円。200万円に対して58万円の節約効果があります。

 つまり、保険が16~19%弱儲かるのに対して、住宅ローンは29%程度の節約効果があるのです。
(税金は考慮せず)

 とは言え、やっぱり、預金だけでなくお得な制度はしっかりと活用したいところ。
 将来確定している出費や急な出費には、預貯金など換金性の高いもので備えつつ、余ったお金を賢く運用しましょう。

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